コラム
インターホンを延長して位置を変えたくなったときや、新しい機種に交換したくなったときに、自分でする方法があります。とくに交換の作業は、延長と比べると意外にも簡単にできてしまいます。ただし、インターホンに関する工事は個人ではできない例もあるので、どこまでが自分でできる範囲なのかは事前に知っておいていただきたいです。
そこで、今回は自分でできる延長・交換の工事と、その方法を紹介していきます。そろそろインターホンに手を加えたいと考えていた方は、この記事を読んでDIYできるかどうかを判断してみてください。
インターホンの延長は、後半で紹介する交換作業と比べると、難易度の高い作業になります。インターホンには信号を送りあう「信号線」と電源のコードがあり、これらの配線がない場所だと、配線工事をすることになるからです。まずは、インターホンの構造を知るために配線の仕組みを確認し、自分では延長できないパターンの例をみていきましょう。
まず、一般的なインターホンは「親機」と「子機」に分かれ、親機が室内側にあるほう、子機は玄関などにあるほうになります。話した音やボタンが押された信号を伝える「信号線」という配線が2本あり、親機と子機をつないでいます。親機のほうには電源(コンセント)へ接続するコードもついています。
自分でできるかどうかは、コンセントを増設する必要があるかないかで決まります。インターホンを移設したい先がもし、電源のない場所であれば、コンセントをその場に作る必要がでてきます。この、コンセントに関する工事は「電気工事士」の資格が必要な作業なので、資格がない場合はどうしてもできない作業になるのです。
DIYできる範囲のインターホンの延長工事方法を説明していきます。まずはここに紹介する道具をそろえましょう。くわえて、この作業のむずかしさを簡単に解決できる、無線のインターホンについても紹介します。ただし、これから紹介する作業をおこなうときは、必ず家のブレーカーを落としてからおこなってください。
配線を切ったり、取り付けたりする作業がメインなので、用意するのは電気工事に使うような道具になります。以下のものを用意してください。
■ケーブル(信号線)
インターホン用の信号線は、「インターホン用ケーブル」などの名前で市販されています。インターネットやホームセンターなどで探してみるとよいでしょう。ただし、ケーブルは長すぎると雑音が入るようになります。メーカーでは、配線の長さが最長で100メートル以内になるようにしているので、その制限を守るようにするとよいです。
■ペンチ
ケーブルを切るためには、ペンチのうちの切断可能部分を使います。また「接続コネクター」を線に取り付けるときにも、ペンチは必要になります。100円ショップで手に入るものでじゅうぶん事足りるでしょう。
■接続コネクター
プラスチック製の小さな長方形の部品で、2本の線をつなぎたいときに使います。コネクターをつなぎたい線の端につけて、差し合わせるだけで2本をつなげられます。ペンチだけあれば使えるので、配線をつなぐのがとても簡単にできる道具です。
接続コネクターは線の太さによって対応していないことがあるので、ケーブルの太さと合ったものを用意しましょう。
信号線の延長のときは、新しく用意したコードを必要な長さに切りましょう。インターフォンをどこに移動させるかを決めて、必要な長さを測っておいてください。続いて移動させたいインターホンを外します。
壁から取り外したインターフォンの裏には、2本の信号線がつながっているので、これを外します。そうしたら、壁から出ている信号線と新しいケーブルとを接続コネクターでつないで延長していきます。
壁側の線と新しいケーブルに接続コネクターを取り付けます。線は、中の銅線がビニールの包みからでている部分(芯線)をペンチで切り詰めてから、接続コネクターに差し込みます。
接続コネクターに線を差し込んだら、ペンチで「カチッ」と音がするまで接続コネクターを挟みます。これで線とコネクターの固定は完了です。
壁からでている2本の線と、延長用の2線の、合計4か所に接続コネクターを取り付けたら、お互いをつないでいきます。接続コネクターを差し込むだけで簡単にくっつくので、つなげば信号線の延長は完了です。あとはインターホン本体に信号線をつなぎましょう。
インターホンにはワイヤレスのものもあります。配線が面倒な場合は新しく無線のものを導入するのもよいでしょう。無線でも映像で確認できる機能をもったインターホンがあるので、機能面では劣りません。
ここまでは、インターホンの延長方法を解説してきました。つぎからは、インターホンを新しいものに交換する際の手順を紹介していきます。
インターホンの交換手順は、簡単にすることができます。ただ、個人ではむずかしい場合もあるので、そのようなときは業者に依頼しましょう。交換ができないときの条件と、インターホンの取り換え手順は以下のとおりです。
インターホンは電話やオートロック、警報機などとの連動がおこなわれていると、自分でやることはむずかしいです。もし新しいインターホンと違う規格だった場合、うまく作動しなくなる恐れがあります。
また、インターホンの延長のときと同じように、もしインターホンを移動させる必要があるときは、電源の位置に気をつけましょう。電源を増設するには免許が必要なので、業者に依頼するのがよいでしょう。
ここからの作業は、ブレーカーを落とした状態でおこなってください。まず、今あるインターホンを取り外します。はじめに電源プラグを抜きましょう。そのあとの外し方は機種ごとに違うので、取扱説明書を確認してください。
取り外したら、裏面に信号線がついていると思うので、これらを抜き取ります。2本を抜き取れば取り外し完了です。子機に関しても同様に、本体を取り外し、信号線を抜き取りましょう。
新しいインターホンは、まず取り付けるための土台が必要な場合はそれを取り付けましょう。機種ごとに取り付け方は異なるかとは思いますが、信号線を取り付けて、壁に設置し、電源を接続すれば完了です。子機に関しても同様におこなってください。
設置が完了したら動作のチェックをしましょう。異常がないことが確認できたら、交換作業はおわりです。
インターホンには別の器具を連動させて、機能を追加することができます。子機をつないだり、部屋のロックと連動させたり、いろいろな使い方が可能なので紹介していきます。
子機やモニターを増設することで、別の部屋でもインターホンに答えることができるようになります。また、室内のモニター同士で会話ができるものもあります。より便利にインターホンが使用できるようになるでしょう。
集合住宅のオートロックに接続させたり、屋外に設置したランプと連動させたりすることもできます。これを導入することで家の防犯性を高めることができます。
火災報知器などの警報機と連動させる機能です。現在、一般家庭にも取り付けが義務化されている火災報知器ですが、報知器がない部屋でも警報がわかるので、もしものときの初期消火や早期避難に役立ちます。
電話線と接続すれば、インターホンを介しておき電話などで訪問者の対応をすることができます。また、スマートフォンと連動させて、外で中にも対応できる機能をもったインターホンもあり、電話と連動させるメリットは高いですね。
インターホンの延長の工事は、電源のコンセントを増設する必要がないかぎり自分でもできる作業です。道具をそろえて挑戦してみましょう。また、インターホンの延長工事に比べて、新しいインターホンに交換することはむずかしくはない作業なので、やってみるとよいかもしれません。
ただし、電気工事が必要な場合や、インターホン以外の配線をつないでいる場合は、作業がむずかしくなります。少しでもむずかしそうだと感じたのであれば、業者に依頼することをおすすめします。弊社ではインターホンに関する作業に対応できる業者を紹介いたしておりますので、困ったときは無料の電話相談窓口からお問い合わせください。