コラム
自分の家と道路を隔てるように立つ、塀や壁、柱のことを門柱と呼びます。近年、ポストやインターホンを兼ね備えた門柱が増えてきていることはご存じでしょうか?
一体型門柱と呼ばれるこの門柱の設置を、新しく家を購入するときやリフォームを考える際に検討している方は多くいらっしゃいます。このページでは一体型門柱の基本的な概要だけでなく、一体型門柱を選ぶポイント、設置業者の選び方など、まとめて詳しく解説いたします。
目次
一体型門柱とは、ポストや表札、インターホンや門灯などと一体化した、多くの機能が備わっている門柱です。土地が狭い、玄関と道路のあいだにスペースがあまりないといった建物でも、一体型門柱をひとつ設置するだけで必要な機能がそろい、スペースを確保することができます。
そのため現在では、とくに敷地を大きくとることのできない都市部を中心に人気を集めているのです。門柱がさまざまな機能をあわせもつことから、機能性門柱、機能門柱とも呼ばれています。最近では宅配ボックスが一体化している一体型門柱も登場しており、門まわりをより機能的にスッキリとさせることができているのです。
一体型門柱にはさまざまなデザインのものがあり、タイプも多く存在します。やはり家の前の一番目立つ場所に置かれるものですから、デザイン性も重視して選びたいものですよね。今回は主な3タイプのデザインや、それぞれのメリットについて紹介させていただきます。
四角柱型の一体型門柱は壁や柵がついておらず、細長い四角柱の柱にポストや表札、照明やインターホンなどの機能を集約したシンプルな門柱です。ステンレスやアルミ形材などを使用した黒色や銀色のスリムなデザインが多く、場所をとらないことから、とくに選ばれる一体型門柱となっています。
ウォール型の一体型門柱は、玄関と道路とを隔てて立つ壁のような門柱です。大きさやその形状から訪問者の目にとまりやすく、敷地内への侵入抑制効果は最も大きくなります。
アルミや木材、アイアン調のものや壁のようなものなど、選択できるデザインの幅が最も広い一体型門柱です。また、四角柱型よりも大きさがあるため、ポストや照明、センサーや宅配ボックスなど、さまざまな機能をもったものが多くあります。
ポール型の一体型門柱にはアイアン調のものが多く、機能面の充実よりもデザイン性を重視したものが豊富です。ポストと表札のみの門柱もありますが、インターホンや照明などの機能も集約したポール型の門柱もあります。家のデザインにこだわりのある方はポール型の中から選ぶとよいでしょう。
ポストや表札、インターホンは、すべて一体型に集約してしまえばいいというわけではありません。それぞれの役割を知ることは、設置位置を決める際に利便性を確保するだけでなく、家の防犯性を高めることにもつながります。
敷地が大きくない家の場合、ポストを玄関に直接取り付けていることは多くあります。玄関に取り付けることのメリットはスペースをとらないことのほかに、受け取るために外へ出る必要がないことが挙げられます。
しかし、防犯上の観点から言えば玄関のポストは、家のドアの前まで人が侵入する理由を作ってしまうことにもなります。チラシや広告などを投函(とうかん)すると見せかけて、敷地内の下見を空き巣にされてしまうこともあるでしょう。投函口から手や器具を入れられ、内側から解錠されて侵入を許してしまうケースも存在します。
その点ポストを門柱に設置すると、玄関から外に出て郵便物をとりに行く必要があるものの、ドアの近くまで人が入ってくる理由をなくすことができ、防犯上でのメリットとなります。玄関の位置と道路の位置を考え、ポストの後ろや側面に取り出し口のあるものを選ぶことで、取り出しのわずらわしさはある程度改善できるでしょう。
表札は玄関前の壁や門柱などの、道路から敷地内に入らずとも誰の家かわかる位置に設置するのが一般的です。門柱を立てるスペースを大きく取れない場合は、ポストと同様に玄関の壁に設置されることがあります。
しかし、壁などで道路から見えない位置に設置してしまうと、これもドアの前まで人が侵入する理由を作ってしまいます。見えやすい位置に、少し離れていても読みやすいデザインの表札を設置するか、コンパクトな門柱を設置することがおすすめです。
インターホンは、ポストや表札以上に設置位置に気をつけなければなりません。電気を使うものですので電源を供給しやすい玄関に取り付けられていることも多いのですが、防犯上の観点から言えば非常に危険です。
インターホンの前に見知らぬ人が立っているときも、近所の人からは来客にしか見えず、不審に思うことができません。インターホンを押して住人が出てきたところで押し入るなど、危険な犯罪にあう例も多くあります。
ポストと違って、インターホンが玄関に近いことによるメリットはありません。一体型門柱を利用し、玄関から少し離れた場所にインターホンを取り付けることができるとよいでしょう。
一体型門柱にはさまざまなデザインがあり、集約している機能にもかなりの幅があります。自分では取り付けられず、設置したら何度も変えるものでもないため、設置の前にはよく考えなければなりません。設置を業者に依頼する際は、次の3か条に気をつけましょう。
門柱は住居の一番手前、目立つ場所に置かれますので、家の外観と相性のよいものを選ぶべきです。それだけでなく、「ポストは玄関に取り付けたい」「それ以外の機能が集約されたものが欲しい」といったように、希望通りの機能をもったものを選ぶとよいでしょう。
業者によっては取り扱いのないデザインの門柱もありますので、どういったデザインがよいか、どのような機能が欲しいかをよく考えて伝え、提案してもらいましょう。提案の中に希望のデザインがなければ、断って別の業者に相談することもできます。
取り付け作業では、組み立てて埋め込むための穴を掘る、コンクリートで固める、インターホンがある場合は配線をつなぐなど、さまざまな場面で業者の力が必要です。施工場所から離れている業者に依頼をすると、出張費がかさんでしまうことや、アフターケアを素早く行ってもらえないことが考えられます。
依頼する業者は、できるだけ施工場所の近くの業者を選びましょう。少し離れている業者の場合は、出張費用が無料か一律で、アフターサポートの内容がしっかりしている業者を選ぶことをおすすめします。
業者を検討する際は、複数の業者から見積りをとる「相見積り」をおすすめします。相見積りをおこなうと、1社だけに依頼する場合と違って料金を比較することができます。そのため、適正な見積価格を提示している業者を見きわめることが可能になるというメリットがあるのです。
それだけでなく、見積りを依頼する際に要望を話すことで、そのときの対応によって信頼できる業者かどうかを判断することも可能です。設置だけでなくアフターサポートの際など、これからも依頼する機会のある設置業者ですので、丁寧で印象のよい業者を選びましょう。
信頼できる業者を選ぶ際は、実績や口コミを確認するのもひとつのポイントです。業者のホームページで実際の施工実績や料金、お客様の声などを見ることで、おおよその費用の想像がつき、トラブルが起こりにくい業者とわかればさらに安心できます。
一体型門柱は多くの機能がコンパクトにまとまっている、大変便利な門柱です。そのほかにも、スペースをとらないことや幅広いデザインなど、さまざまなメリットがあります。敷地の顔としてこれから活躍してくれる門柱ですので、設置の前にはしっかりと考えて選びましょう。
一体型門柱の概要やポイントがわかり設置を考えている方は、まず希望する門柱の機能やデザインについてまとめてみてください。その上で、設置業者の選び方を参考にして業者に依頼しましょう。機能やデザインで迷ったときにも業者に相談してみると、対応や提案内容から信頼できるかどうかの判断もできるのでおすすめです。