コラム
マンションのインターホンは、一般的な家庭のものとどのような違いがあるのでしょうか。マンションについているインターホンは、集合玄関機やオートロック、火災報知設備などと連動していることが多く、 個人的に交換できない場合もあります。
今回はマンションについているインターホンの交換目安と、交換するインターホンの種類などについてご紹介していきます。
一般社団法人インターホン工業会の定めた目安では、一般的な家庭で使われているインターホンは10年、マンションなど集合住宅用インターホンは15年が寿命といわれています。それ以上使用し続けると、経年劣化によって修理が必要になったり、摩耗による故障発生率が増加したりするとされます。
インターホンの故障原因を年数ごとに見てみると、最初の5年で起こるのは製造上の欠陥などによる初期故障が多いです。購入後5年から15年間は偶発故障期とよばれ、何か特別な損傷や事故がなければほとんど故障しないといわれています。そして15年経過したころから摩耗故障が多々起きるようになります。15年が交換目安になっているのはそのためです。
15年以上インターホンを交換していないと起こる不具合は、インターホンの種類によってさまざまです。一般的な住宅に取り付けられているインターホンには、「親機」と「子機」を使った「親子式インターホン」が使われています。
子機から親機を呼び出すことができるので、玄関の外に子機、室内に親機を設置して使用するのが一般的です。親機を15年以上交換していないと、呼び出し・通話ができなくなるなどの故障が起こることがあります。このような場合はインターホンとしての機能がほとんど使えなくなってしまいます。
マンションのエントランスに設置してあるインターホンは集合玄関機といい、各部屋に呼び出しができるものですが、こちらも15年以上使い続けると不調が起こりやすくなります。オートロック機能が使用できない、呼び出しができない、通話音声に雑音が混じる、パネルの文字が変色・変形して見えにくくなるなど、さまざまな不具合が起こるのです。
マンションのインターホンを交換する場合、いくつか注意点があります。一般的に、マンションのような集合玄関機と連動しているものは専門業者でないと交換できません。しかし、オートロックの有無次第では、個人でのインターホンの交換が可能になります。
オートロックが付いているマンションのインターホンが故障してしまった場合は、自分で交換を行うとエントランスの集団玄関機や自動火災報知設備との連動ができないため、必ず管理組合・管理会社に故障した旨を伝えましょう。
故障したインターホンが古く交換部品を用意できないときは、修理ではなく全戸一斉交換を行うことになります。その場合は修繕積立金などから費用が出る場合もありますので、費用は管理組合・管理会社が払うことが多いです。
オートロックが付いていないマンションは、一軒家と同じように住戸で交換することが可能です。この場合もマンションの管理組合・管理会社に交換する旨を伝えましょう。集合住宅では、オートロックがついていない場合でも一斉に交換する場合もあり、交換費用は自己負担ではなく管理組合・管理会社負担になることもあります。
交換する場合は、自分でできる場合と業者に頼む場合の2パターンがあります。自分で交換できる場合は、電源プラグ式のインターホンか乾電池式インターホンの場合です。その他のタイプは配線などを触るため電気工事が必要になり、電気工事士という資格がなければ行うことができません。その場合は業者に依頼しましょう。
インターホンを交換すると起こるメリットには、以下のようなものがあります。
インターホンを交換・リフォームすると防犯面で大きなメリットがあります。泥棒のなかには、家主の留守を確認するためにインターホンを押す大胆な犯人もいるといいます。そのような手口の泥棒は、家主が在宅していた場合に姿を鮮明に確認されるのを嫌がるので、カラーモニター付きのインターホンを嫌う傾向があります。
最新のインターホンを導入することで、空き巣から目をつけられる可能性を低くすることができるのです。
昔からある呼び鈴のみのインターホンは、だれが来たのかわからないためとりあえず出なければなりませんでした。しかし最新の機種は、TVモニターは当たり前のこと、ワイヤレスの子機が付いている等、どこにいても出ることができるようになっています。
料理などで手が離せないときでも、ワイヤレス子機で対応することができるのが便利です。訪問販売などの対応を後回しにして時間を節約することもできます。
交換すると決めたとき、どのようなインターホンにするか悩んでしまいます。最新のインターホンにはさまざまな機能が付いていますが、マンションにはオートロックや火災報知設備、集合玄関機などに対応した機種が必要になります。
多機能でマンション設備に対応しているものでは、モニター付きのワイヤレス子機が付いているものや、集合玄関機、モニターがほしい人のために玄関前のインターホンにも連動したものなど、セキュリティに重点をおいたものがおすすめです。
不審者の素性を特定することを重視するなら、TVモニターに映った訪問者を録画する機能が付いたものがいいでしょう。監視カメラの映像と合わせれば、不審者の正体はいっそう特定しやすくなります。
高齢者が多いマンションでは、操作がわかりやすく、扱いやすいインターホンが最適です。画面や文字が大きく、付いているボタンが何のボタンか一目でわかるシンプルなものがおすすめです。さまざまなインターホンが発売されていますが、ご自身に合った機能が付いているものを選びましょう。
マンションで使用しているインターホンは寿命が15年で、交換しないと不具合がどんどん起きてしまうことがわかりました。さまざまな種類があるインターホンですが、そのマンションに合ったインターホンを選ぶことで、セキュリティ面を強化し、入居者を増やすきっかけにすることもできます。
15年以上交換していないインターホンがありましたら、一度プロの業者に相談してみてはいかがでしょうか。